ジュガ・マスターの亀井摩周です。
今回から6回にわたり、「ジュガの絶対ルール」を初心者の方でも学びやすいように詳しく説明していきます。
ジュガに堅苦しいマニュアルはありません。
なぜならマニュアルがあると、人は不自由になり、人がサステナブル(持続可能)を行う邪魔をするからです。
ジュガはどこまでも自由で、何に対しても自在。ジュガでは何をしてもかまいません。
でも、最低限進めるための道標、ルールは存在します。
なんでもできる「自由」と、何をしても良い「無秩序」は違うものです。
ルールを守らなければ、例えジュガのフォームを正しく行ったとしてもそれはジュガではなく「前へ習え」や「他のヨガの物まね」でしかありません。
これからジュガをゆっくり理解してもらうために、「ジュガの6つのルール」について解説していきます。
抽象的で概念に近いものも多いため、最初は少しわかりにくいかもしれませんが、無理に1回で理解しようとせず、「なんとなくこういうものなんだな」という理解でも十分です。
気楽に読んでみてください。
ルール①無我夢中を追求する「実」と「虚」の同時発動とはなにか
それではこれから、ルール①無我夢中を追求する「実」と「虚」の同時発動とはなにかを詳しく説明します。
物事にはすべて「実」と「虚」があります。
痛みで言うと、例えば骨折は原因と実態がきちんとある「実」の痛み。
他にも、火や熱いものに触って「熱い・痛い」と感じるのも実の痛みです。
一方で骨折もヒビも入っていないのになぜか骨がキシキシ痛い、熱いものに触っていないのに焼けるような痛みがある、これは「虚」の痛みや虚熱と言います。
このように多くの物事には「実」と「虚」があり、私たちは日々この実と虚のバランスを取って生活しています。
ですが、実態があって分かりやすい「実」に対して、「虚」は「概念」に近く抽象的でわかりにくい部分も多いです。
1とか2といった「実数」は誰でもわかるけど、「虚数」を説明してくださいと言われたら、きっと多くの方が言葉に詰まるのではないでしょうか。
そんな分かりやすい「実」と分かりにくい「虚」を、ジュガでは同時発動させます。
例えばググっと力を入れて、空手の正拳突きのように握りこぶしを突き出すのが「実」。
これはわかりやすいですよね。
ですが、力むばかりでは筋や腱に力が入ったままになってしまい、伸ばしきったところからもう一歩伸びない。
そこで肩や関節の力を抜き、手を開いてわずかにリラックスすると、そこからもうちょっとしっかりと先まで腕全体を伸ばせますよね。
かといって力を完全に抜くと腕が曲がってしまい、返って腕は短くなってしまいます。
100%力を入れた「100%の実の状態」から虚脱、つまり不必要な部分の力を抜くことで100%の実では伸ばせなかった「+数cm」が実現する。
この絶妙なバランスが「実」と「虚」の同時発動、ジュガの追求の一つです。
このジュガの追求は、一見何でもないような「おじぎ」にも表れます。
ジュガではお辞儀をする際、背中をまっすぐに、丸めてはいけないというルールがありますが、初心者にはなかなか難しい。
普通の人は、おじぎをするとどうしても首から腰にかけて大きく曲がってしまい、いわゆる「猫背」の状態になります。
ですが、先ほどお話しした「実」と「虚」のルールでしっかりとジュガをやっていくと、不思議なことに猫背でおじぎをしていた人が、どんどんまっすぐな状態でおじぎができるようになる。
本人が意識して無理やり猫背にならないようにするのではなく、無我夢中で実と虚の同時発動させることで体が自然と「ルールに沿うように」なります。
この状態を続けると、体はどんどん必要な「実」と「虚」のルールを体に染み込ませていきます。
すると、そのうち意識しなくても体がしっかりと柔軟性を取り戻してくる。
つらい柔軟やきついストレッチをしなくても、ちゃんとしたジュガのルールでやっていけば必ず体の柔軟性は向上するのです。
無我夢中・【実】と【虚】の同時発動ってナニ⁈
ジュガの型①で腕をバンザイする時、
肩に力入れて伸ばそうとするのではなく、お腹を引き裂くように溝落ちと乳首を上に…を意識すると更に柔軟性が高まり腕が伸びる。
人ってチカラを抜くのがいかに難しいか?
身体の使い方など、ジュガを通じて気付きが沢山あります。